
2024年ありがとう!2025年こんにちは!2024年の音楽シーンはどうだったんだろう?

2024年に一番流行った音楽はチャート的にも体感的にもCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」だね。この他にもアニメソングをひとつのきっかけとして、日本語曲が世界でヒットしてたりしてたね〜

チャートに乗らなくても見つかっていない名盤はまだまだたくさんあるよ!今年もSame Records独自の観点で2024年を振り返る名盤10枚を一挙ご紹介。まだ聴いていない&気になる作品があったらぜひ出会いのきっかけにしてくれたら嬉しいな
今回もやってまいりました!2023年に引き続き、2024年にリリースしたアルバム、EP作品の中から個人的に刺さった10作品を一挙レビューさせていただきます。昨年同様、「このアルバム良かったな〜、こういうの好きだな〜」と思った作品を集めた超個人的な年間ベストとなっております。今年は邦楽オンリー、日本のインディーズバンド中心のラインナップです。それではどうぞ。
2024年 個人的年間ベスト10選
PEOPLE1『星巡り、君に金星』
2019年結成。東京を拠点に活動するスリーピース・バンド“PEOPLE 1”(ピープルワン)
スリーピース、ツインボーカル。戦略的に大衆音楽を突き詰めつつも、凡庸なポップスに留まらず、ミクスチャーロック、パンク、ファンク等々、幅広い音楽性で魅せる彼ら。
2024年1月10日発売の2ndアルバム『星巡り、君に金星』は、これまでの日本のロックを脈々と受け継ぎながらも最先端のバンド音楽を掻き鳴らしている熱量最大の名盤でした。
邦楽ロックだけでなく、ボーカロイドをはじめとするネット音楽やHIPHOP、ダンスミュージックなどあらゆるジャンルへアクセスしやすくなっている世代のロックバンドとして最先端の形がPEOPLE 1なのでは、と思います。多様なジャンルを消化できるのも確たる個性があるからこそ出来る芸当ですし、全編を通してその引き出しの多さに驚愕させられます。
EP『大衆音楽』が出た頃に彼らの「東京」という楽曲を聞いてこのバンドはヤバい!という感想を抱きましたが、年々バンドの持っている最高出力が上がってきているのをこの作品を聞いて強く感じました。今後も更なるモンスターバンドになっていく予感がするのと、彼らの描いていく未来が純粋に楽しみです。
TENDOUJI 『TENDOUJI』
2024年に結成10周年を迎えた四人組インディ/オルタナバンド“TENDOUJI”。
堂々のセルフタイトル・アルバムとなる4th Album『TENDOUJI』(2024年5月15日発売)。毎度こちらの期待以上のものを遊び心たっぷりにお送りしてくれる彼らが、更に気合を入れて送り出してくれた大傑作。悪ガキ街道を爆進していく、泥臭くてかっこいい大人たち。それがTENDOUJI。
「TENDOUJIのテーマ」で開幕するこの作品は、彼らの持ち味となる胸踊るようなポップパンクからエモーショナルなミディアムナンバーまで、いままで築いてきたTENDOUJIの魅力がたっぷり詰まっていて嬉しくなります。ライブへの期待感が膨らむ疾走感溢れる楽曲が多いのはもちろんですが、部屋で一人で聞いてみたりドライブで流してみたりと、あらゆるシチュエーションで傍においておきたいと思える愛しさに溢れた一作。
やっぱTENDOUJIはいつ聴いても最高です!まさに名刺代わりの1枚がここにあり。
puggs『パグスの遭遇体験』
2020年冬結成。関西拠点に活動中、レトロでモダンなスリーピースバンド“puggs”(パグス)
2024年9月25日発売ファーストアルバム『パグスの遭遇体験』。前作EPも2023年間ベスト盤(該当記事はこちら)でご紹介させていただきましたが、1stアルバムとして世に放たれた今作も最高に良かったです。
ロカビリーや洋楽ポップス等のオールドミュージックへの憧憬を、令和を生きる若者の感性で描く懐かしくも新しいサウンド。耳触りがいいのにどこか捻くれている部分を感じさせるところが他のバンドとはちょっと違った魅力で、楽曲の持つ中毒性を高めています。時にポップで瑞々しく、時に哀愁を携えた音楽愛溢れる全8曲。
叙情的なギターロックが好きなのもあり、ずっと刺さりまくっています。この感性がたまらなく良い。
今後のリリースやライブ活動も楽しみな要注目バンドです。
ズーカラデル『太陽歩行』
2015年結成。札幌発スリーピース・ロックバンド“ズーカラデル”
キャッチーかつノスタルジーに溢れた、懐かしくも新しい楽曲が持ち味のズーカラデル。2024年3月6日発売となった3rdフルアルバム『太陽歩行』。
全16曲収録と大ボリュームのフルアルバムでありながら、頭からケツまで通して聴いてて飽きない構成力。昨今ではサブスクユーザーも増えてアルバム単位で聴く人は減っているのかもしれませんが、全曲通してアルバムとして聴いても楽しいバラエティに富んだ1枚。聴き手の感情に寄り添う温かみのあるメロディーと人間味溢れる歌詞。ズーカラデルの楽曲に時折感じる祝祭感を浴びると、肩の力を抜いて明日を生きていこうと思わせてくれる。
あらゆる角度から日本語のギターロックの良さをこれでもかと詰め込んだアルバム。ぜひアルバムを通して聴いて見てください。
Ken Yokoyama『The Golden Age Of Punk Rock』
Hi-STANDARD横山健による四人組バンド “Ken Yokoyama”
2024年10月16日発売となった『The Golden Age Of Punk Rock』は、タイトル通りパンクロックの黄金時代を駆け抜けた楽曲をかき集めた、リスペクトとパンク愛が詰まったカバーアルバム!
横山健自身もHi-STANDARDとして日本の90年代パンクを代表する存在。この夢のようなパンクカバーアルバムを背負えるのはKen Yokoyamaしかいない!と言っても過言ではないでしょう。パンクキッズなら誰もが知る90’sパンク=パンク黄金時代のバンド達の楽曲をメンバー4人で決めたという注目の作品。
NOFXやSnuff、No Use For A Name、Bad Religion、Lagwagon、RANCID…等々、聴く前から胸熱のラインナップ。聴けば更に興奮のボルテージが上がるはず。個人的にはBlink-182が意外に感じてアツかったですね…!
Ken Yokoyamaのカバーをきっかけに新しいバンドに出会う次世代パンクキッズもいるかもしれない。いや、絶対にいるはず。パンクロックに対する敬愛を感じる珠玉の1枚。
ブランデー戦記『悪夢のような1週間』
2022年結成。大阪発スリーピース・バンド “ブランデー戦記”
2024年8月21日発売の5曲収録EP『悪夢のような1週間』。
90年代オルタナティブ・ロックへの憧憬が深いサウンドとハイセンスな歌詞。どことなくノスタルジーを感じるメロディで一曲一曲にしっかり世界観があり自然と没入させられます。音楽性はもちろんのこと、ジャケットアートワークや本人達の佇まいもオシャレでカリスマ的な魅力があるんですよね。今作EPのジャケットアートワークは90年代アニメの質感があるニュートロ(NEW +Retroの新造語)デザインでバンドの感性にマッチしててめちゃくちゃ良いです。
邦楽ロックシーンのみならず、2025年はおそらく飛躍的な人気を獲得して成長を遂げていくんだろうなと思います。モンスターバンドの片鱗をひしひしと感じる全5曲。圧倒されました。
theトラウツ『EME-ROAD』
「湘南おるたな」を掲げる湘南発5人組バンド“the トラウツ”
2024年11月6日発売 2nd EP『EME-ROAD』。6曲収録。
あえて泥臭さを残したサウンドと歌詞が気持ちいい。MVでもレコードが登場しているTeenage Fanclubを筆頭に90年代洋楽オルタナティブロックの影響を感じさせつつも、奥田民生やスピッツといった90年代の邦楽ロックのイズムも感じさせるスタイル。立ち行かないながらも前に進んでいくしかない青春の焦燥を等身大に綴っている歌詞がたまらなく良いです。
曲も歌詞もめちゃくちゃ良いのに見つかってなさすぎるだろ…!と戦慄しています。めちゃくちゃ良いのでぜひ聴いてみてください!
THE HOLDENS『RAIMUGI』
大分県別府発、四人組バンド“THE HOLDENS”
台風クラブらを擁するインディーズ・レーベル NEW FOLKより2024年10月23日発売となったファースト・アルバム『RAIMUGI』。フルアルバムが出るのを今か今かと待ち構えていたので、2024年に聞けて嬉しかったです。
これぞニューレトロ!令和に大きな存在感を示す、懐かしくも新しい日本語ロック。ブリットポップ1やパワーポップの影響を感じさせつつも、歌謡曲やフォークの要素も散りばめられており、この1枚に詰め込まれた珠玉の楽曲たちから多大な音楽愛が伝わってきます。抒情的かつ素朴な情景描写が燦めく、今を生きている等身大の歌詞。良い意味で取り繕ったり無理をしていない赤裸々さが共感を呼び、胸を打ちます。
昭和から平成、そして令和まで、多くの世代の心に響く名作誕生です。
HAWAIIAN6 / dustbox / locofrank 『THE LAST ANTHEMS』
日本のメロディックパンクシーンを牽引してきたHAWAIIAN6、dustbox そして locofrankの3バンド、通称ロコダスト6が再集結!
まさに11年ぶり。2013年にスプリットアルバム『THE ANTHEMS』を発表した彼らが、2024年4月17日に発売したスプリットアルバム2が『THE LAST ANTHEMS』。
同じシーンにいながらもそれぞれの方向性で活動をしている中、訪れたコロナ禍であったり、レーベル移籍やメンバーの脱退などの様々な変化も乗り越えた先で再集結した彼ら。前作が今もなお愛され続けている名作スプリットということもあり、最高潮に膨らんでいたファンの期待を裏切らない、“今”の彼らを感じることのできる名曲群。1枚通して聴くと、それぞれのバンドの特色だったり良さだったりを改めて実感できるのがスプリットの楽しいところ。
メロディックパンクが好きなら必聴の名スプリット盤。ぜひ前作と聴き比べてみてほしい。
V.A『Timeless Melodies-a tribute to dustbox-』
2000年代から現在に至るまでメロディック・パンクシーンを語る上では絶対に外せない存在であり、最前線を走り続けているdustbox。美しいメロディーをパンクロックに落とし込んだ、疾走感溢れながらもどこか切なく胸を打つ彼らの楽曲は唯一無二。
2024年7月3日発売『Timeless Melodies-a tribute to dustbox-』は、彼らの活動25周年を記念して世代やジャンルを超えてdustboxに所縁のある豪華メンツが大集合したトリビュート・アルバム!
メロディックパンク好きならテンションが上がらない方がおかしいと言える豪華メンツ。各バンドのdustboxへのリスペクトとメロディックパンクへの愛を感じる最高の1枚。曲順やそれぞれのバンドの選曲もめちゃくちゃ良かった。個人的にアツいと思ったのは幕開けを彩るNorthern19「Right Now」、盟友TOTALFATによる「Tomorrow」、ラストを飾るHAWAIIAN6は名曲「Jupiter」のカバー。そして、HEY-SMITH「Still Believing」の遊び心溢れるアレンジも最高でした。SHANKの「Bitter Sweet」もスカアレンジが気持ち良くてかっこいい。どれも素晴らしくて機会があれば全曲熱く語りたいぐらいの名カバーばかりです。
dustboxの曲は改めて名曲揃いだなと感心すると共に、各バンドの個性溢れるカバーで新たな魅力を再発見できるトリビュート名盤。
総括
自分が聴いてきたアルバムを思い返しながら、あれもよかったこれもよかったと選定する作業って楽しいんですよね。今年はこのバンドに出会えたなとか、好きなバンドの新譜が出て嬉しかったなとか、改めて音楽が好きだと感じる瞬間だったりします。
邦楽ロックやメロディックパンク多めで偏りはありますが、その分、特色ある年間ベストにはなっているんじゃないでしょうか?自信を持って熱量たっぷりにオススメしたい2024年の10枚でした。
気になるバンドがいたらぜひ聴いてみてもらえたら嬉しいです。
- 【ジャンル解説】ブリットポップ…BRITPOP。90年代イギリスのロンドン、マンチェスターを中心に巻き起こったイギリスのポピュラー音楽のこと。ニルヴァーナのカート・コバーンの死とグランジ・ブーム終焉の兆しを見せる最中、60年代UKロックに大きな影響を受けながらも新しい時代を背負うバンド達の台頭は、音楽シーンとしてもUKロック復権の側面も持ったムーブメントとも言えるでしょう。代表的バンドにOasisやBlurなどが挙げられます。 ↩︎
- 【用語解説】スプリットアルバム…スプリット盤とも呼ぶ。SPLIT。シングル作であればスプリット・シングル。EPならスプリットEP。アルバムならスプリットアルバムとなる。2、3組のバンドがそれぞれ音源を持ち寄って1枚の作品にまとめた音盤のこと。自主制作盤が多いパンク/ハードコアシーンを中心にオルタナ、インディーロックシーンに盛んなリリース形態。 ↩︎