【簡単講座】今更人に聞けない!?フィジカルの種類【基礎知識】

コラム

 好きなアーティストのリリース情報を見ていたりすると、
CD / LP にて待望のフィジカルリリース!」なんて言葉を目にしたりしませんか?

サメちよくん
サメちよくん

CDは知ってるけど、LP?フィジカル?なにそれ?

 そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 音楽業界には「ここまで言ったらあとは自分で調べるやろ」の精神が蔓延っております。目覚めたての若者だったり、マニアでない音楽リスナーからすれば「難しい言葉だらけで何言ってるか分かんないな〜」ってなることも多いかも。レコ屋界隈の敷居が高いって思われてるのって、それも意外とあるんじゃないかなって思ったりもする。

DJシュモク
DJシュモク

でもそれって言葉さえ知ってれば今より数倍楽しめるってことでもあるよね

 意外と誰も教えてくれない基礎単語や、音楽業界・レコ屋界隈の頻出単語なんとなく理解していこう!という初級講座。知らない方はもちろん、知ってる方もぜひチェックしてみてください〜!

フィジカルってなに?

 まずは辞書で調べてみます。

フィジカル=物質的・身体的(肉体的)

Weblio – デジタル大辞泉

 

 音楽業界においてのフィジカルリリースの対義語はデジタルリリース
 音楽のサブスク(サブスクリプション)やYouTubeのような​形に残らないストリーミング配信・再生に対して、CDやレコードなどの物理的販売のことをフィジカルリリースと呼びます。

フィジカル音源の種類

CD

マキシシングル

 昔は短冊型の8cmシングルCDというのがシングルの定番でした。オフコースの「ラブストーリーは突然に」のジャケとか有名ですね。現在の12cmのCDでシングルCDを出すようになった移行期に使われていた名称です。12cmが主流となった今ではもう死語ですが、マキシシングルCDに使われていたうっす〜〜いケースがあるんですが、それに関しては現場でまだマキシシングルケースとかマキシケースいう名称で呼ばれることがありますね。

シングル

  大体1曲〜4曲程度収録したCDをシングルと呼びます。先にシングルでリリースされている曲がアルバムに収録された際、「シングル曲」と呼ばれます。タイトルに使われている曲以降はカップリング曲と呼ばれます。レコードでいうB面ですね。タイトル曲のインストやカラオケver.が収録されてることもあります。

アルバム

  5曲以上かつ収録時間が20分を超えるものがアルバムと定義されます。大体6曲前後までがミニアルバム、8曲以上ならフルアルバムと呼ばれています。元ショップ店員かつメロコアも担当していた自分からすると収録時間よりも曲数で定義したいところ。収録時間か?曲数か?は人によって違うかもしれないけど、プロモーション的には曲数で言われてる方が多かったです(体感)

レコード/アナログ盤

 樹脂や塩化ビニールなどで作られており、専用のプレイヤーに針を落として再生する音盤のこと。材質からビニール盤(ヴァイナル・vinyl)とも呼ばれます。CDなどの光ディスクによるデジタル媒体に対してアナログ盤と呼ばれることも。

 回転数(ターンテーブルが1分間に何回転するか)や収録時間に応じて呼ばれ方が変わります。

LP

 CDでいうアルバムは大体LP。収録時間は30分間。(=Long Play)
 回転数が33回転(33 1/3rpm)、直径12インチ(30cm)。10インチもある。

 一般的に皆さんが想像しているだろうスタンダードな大きなレコード盤のことです。

シングルレコード(7インチシングル盤)

 CDでいうシングル。直径7インチ(17cm)のため、7インチシングルとも呼ばれます。

 回転数が45回転(45 rpm)。収録時間は5分程度。ジュークボックスの時代に必要だった大きな穴が空いているものを「ドーナツ盤」と呼びます。普通にレコードプレイヤーで聴く時は、穴にアダプターを嵌めて再生します。

EP

 日本では上の7インチのことも形が同じなのでEP盤と呼んだりしますが、本来はExtended Play(広げる、伸ばす)という意味で、LPには及ばずともシングル盤よりも収録時間を伸ばしたところから名付けられてます。片面に2〜3曲ずつ収録されている、CDでいうところのミニアルバムみたいなものです。

ソノシート

 大体がシングル盤サイズで、通常のレコードよりも極端に薄くて軽い。音質はともかく製造コストの面で優秀だったので、雑誌の付録などにも使用されていました。

12インチシングル

 LPと同じ12インチのサイズですが、片面だけに収録されたもの。外周部分に音溝が刻まれていて音質がいいのが特徴。

10インチ

 12インチのLPと、7インチのシングル盤のちょうど間のサイズ。後述のSP盤で使用されていた規格で、12インチが生まれるまでは10インチがLPとして使われていました。33回転で12分程度、45回転で10分程度収録できるので、現在ではちょっとしたミニアルバムやEPなどで使用されている規格です。

SPレコード

 日本ではSP盤(=Standard Play)とも呼ばれる。収録時間は4〜5分程度。
 回転数は78回転(78 rpm)。

 蓄音機の時代に流通していたシェラック(樹脂)製のレコードで、1960年代に生産終了されました。海外ではSP盤と呼ばれる事はなく、78rpm recordやshellac recordと呼ばれています。割れやすくカビが生えやすいので管理が非常に難しいのと、現在流通されている一般的なプレイヤーでは聴くことができません。

その他の媒体

カセットテープ

 磁気テープを使用した音楽記録メディア。

A面/B面ってなに?

DJシュモク
DJシュモク

A面、B面という言い方があるけど、レコードなどの両面で記録されている媒体から生まれた言葉だよ。A-side B-sideと書かれていたりもするね。

 

 レコードやカセットテープにおいて、A面やB面という言葉があります。
 大抵は表がA面、裏がB面。2枚組の2LPのものだと、C面、D面(side-C,side-D)と続くことも。

 後々の CDにおいてもこの呼び名が残り、シングルのタイトル曲をA面曲、収録曲をB面曲と呼ぶようになります。転じて、B面をカップリングとも呼んだりします。カップリングはC/Wという表記をされることもあり、coupled withという意味になります。

 

DJシュモク
DJシュモク

両A面、ダブルサイダーなんて言葉もあるよ

 どちらもタイトル曲として区別なく売り出したり、どちらも同等のプロモーションをしたい場合などはA / B面の区別をすることなく、両A面シングルという打ち出しをしたりすることもします。これをダブルAサイドダブルサイダーなんて呼び方もしたりするので、覚えておいて損はなし。

増井 鮫

平成生まれ平成育ち。好きなジャンルは日本のロック・ポップス、インディーズ、メロディックパンク、アイドル。元レコ屋店員。発散場所がなくなったのでブログ開設。売りは熱量のみというしがないオタクです。

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