GWのフェスを皮切りに夏にかけてロックフェスのシーズンに突入していく季節。
楽しむ心さえ持っていけば大丈夫!と言いたいところですが、初めてのフェスは何かと不安なことも多いですよね。フェス初心者の方に向けて、服装や持ち物、気をつけることなどをまとめてみました。
フェス初心者以外の方も確認用としてぜひ使ってください〜!
フェスって行ってみたいけど、何だか敷居が高いというか、ハードルが高いというか……事前準備が必要なんじゃない?って思ってなかなか行けないんだよねぇ〜
心配しなくても大丈夫!服装や持ち物、気をつけておきたいルールなど最低限を押さえておけば、初心者でも楽しく快適に過ごせるよ。
ホントに!?早く教えて〜!
事前準備
公式HPやチケット販売サイトにて応募したチケットが見事当選。おめでとうございます!
当日までに必要なものを準備しましょう。
持ち物
【必需品】
□ チケット
□ 携帯電話 / スマートフォン
…モバイルバッテリーもあると安心。
□ 現金
□ 本人確認書類(身分証明書)…免許証等
□ 健康保険証
最近は電子チケットが多くなりましたが、紙チケットでの発券や郵送で発送されている場合もあります。くれぐれも忘れないように注意してください。
会場で連絡を取り合う際やタイムテーブル・MAPなどの確認に携帯電話・スマートフォンは必須。会場によっては充電スポットがある場合もありますが、自前のモバイルバッテリーがあると電池切れの心配もなく安心です。小型で何回か急速充電できるものがオススメ。
そして、意外と忘れがちなのが現金。会場によってはキャッシュレスが利用できない場合も。小銭を含めある程度の現金は持っておいた方が良いです。長財布だとかさばるので、三つ折りやコインケースなどコンパクトな財布がオススメです。
アルコール類などは購入する際に本人確認が必要な場合もあるので、本人確認書も必携。あとは、万が一の体調不良に備えて、健康保険証も携帯しておきましょう。
【あると便利】
□ 水筒・ペットボトル…あらかじめ凍らせた水のペットボトルが◎
□ 塩分タブレット(熱中症対策)
□ 日焼け止め
□ レインコート・ポンチョなど雨対策品
□ 虫除けスプレー
□ 冷却スプレー/冷却シート
□ レジャーシート等
夏フェスは過酷です。初心者こそ熱中症対策をしっかりして楽しい思い出にしてください!
あらかじめ前日までに凍らせた水やスポーツドリンクのペットボトルを用意しておくのもオススメです。フェスによっては持ち込み厳禁の場合もあるので、その場合は会場内で早いうちに水を確保しておきましょう。喉が乾いてなくてもこまめに水分補給をすることが重要!自分では気付かないうちに脱水状態になっている危険性もあります。
野外フェスは雨天続行。小雨程度なら良いですが、急に土砂降りになったりすることも。小さくまとめられるレインコートやポンチョなどを用意しておくと安心です。フジロックなどの山間部や自然の中で行われるフェスにおいて、泥やぬかるみが気になる場合は長靴や防水シューズをあらかじめ履いていくのも良いですね。
通し券を利用して数日間参加される場合、ホテルなら宿泊セット、テント泊ならキャンプセットなども必要です。
服装
□ Tシャツ
□ 動きやすいハーフパンツ、ワークパンツ、スラックス等
□ スニーカーなど1日中歩き回っても疲れない靴・履き慣れた靴(ヒールのある靴はNG)
□ タオル、フェイスタオル
□ サコッシュ、ウエストポーチなどの小さめのバッグ
□ 帽子…バケットハットだと日焼け対策にもなり◎
□ ロンTやパーカーなど重ね着できるもの(防寒対策)
フェス会場やステージ付近では混雑が起きたり、会場内の移動で1日中歩き回ったりします。アーティストによっては熱気のあるライブで揉みくちゃになる場合も。会場内では動きやすい軽装をオススメします。
実際の会場内ではフェスTシャツやバンドTシャツに身を包んでいる人が圧倒的に多いです。
下は、動きやすいハーフパンツやモッシュパンツ、ディッキーズなどのワークパンツなどもオススメ。素肌を出したくない方はタイツやレギンスなどを下に履くのも良いでしょう。動きやすいものであれば長ズボンでもOKです。
NGな服装としては、動きにくいフレアスカートやミニスカートは自分や周囲のためにも避けた方が無難です。そして、意外と気付きにくく注意してほしいのがジーンズなどのデニム生地。おろしたてや未洗濯のデニムは汗で色落ちして、他の人の白Tに色移りする危険性があります。ステージ前方やモッシュピット(※後のモッシュ項目にて解説)に行く人は特に注意してください。
忘れてはいけない必需品はタオルです。汗を拭く以外にも濡らして体温を下げられたり日除けにもできるので何かと便利。フェイスタオルは少なくとも1枚は持っておきたいところ。日焼け・暑さ対策にはフード付きタオルもオススメです。
貴重品や飲み物などの持ち物がポケットに全部入る場合は手ぶらでも大丈夫ですが、紛失する危険性もあるので、サコッシュやウエストポーチ、ボディバッグなどの小さめのバッグを持っていくと良いでしょう。サッと前掛けができるし体に密着させられるので、紛失・盗難から荷物を守れて安心です。
Tシャツやタオルなどはオフィシャルグッズやアーティスト物販などでも販売しています。せっかくなので好きなアーティストのグッズに身を包んでライブを観てはいかがでしょうか?
余分な荷物や着替えはクロークへ預けよう!
基本的にフェス会場ではクロークのサービスがあります。
1日につき1,000円程度で利用できます。大体45ℓサイズのポリ袋1枚と引換券を渡されるので、ポリ袋に荷物を入れて必要事項を記入し、受付に預けます。そこで記載した氏名と電話番号を確認することで、1日に何度も出し入れができます。
大体パンパンのリュックを4つが限界の容量でしょうか。1日身軽に過ごせるし、汗をかいたバンドTシャツは何回か着替えたいし、寒くなったら防寒着を取り出したり快適に過ごしたいので、私は一人でもクロークを使ってます。
私はパンクバンドが好きなのもありバンドTシャツやタオルの替えが必須。クロークに預けることを踏まえて行き帰りはバックパックを背負って行きます。会場内では小さめのボディバッグに収まるくらいの荷物にまとめて身軽に移動してます!前方エリアに行くことも考え、とにかく身軽にすることが最優先事項。人によって優先事項は違うので、自分に最適なスタイルを探しましょう!
クロークエリアは終演間際に混雑するので、早めに荷物を出しておくと帰りがスムーズです。
心構え
①体調管理
フェスは1日かけて行われます。
体調管理はもちろん、自分の体力を把握しておくことも大事なポイント。睡眠不足で人酔いし、モッシュピットで倒れて救護室へ…なんてことになったら、楽しい思い出も水の泡。当日、万全の体調で楽しめるよう、前日までに睡眠・食事を十分に摂り、体調を整えておきましょう。もし体調に不安がある場合はくれぐれも無理することのないようなスケジュールを組みましょう。夏フェスは暑さや疲労などで自分でも気付かないうちに限界を迎えている場合もありますので、己を過信しすぎず、こまめに休息をとりながら楽しむことも重要です。
タイムテーブル
最近はフェスごとにアプリがあり、自分だけのマイタイムテーブルを作成できます。
せっかくだから全部見たい!!とチケット代の元を取りたくなる気持ちも痛いほどわかりますが、張り切り過ぎは禁物。あなたの大事な体はひとつしかありません。絶対に見たいアーティストを中心に、優先順位を決めながら、ある程度の目安となるタイムテーブルを作成しておくと当日の行動がスムーズです。
場所によってはステージ間の移動が遠くて時間がかかる場合もあるので、MAPを見つつ無理のないスケジュールを立てましょう。
会場へのアクセス、終電の確認
野外フェスだと、最寄駅から会場が遠い場合がよくあります。
駅から会場までのアクセスや到着時間なども予め調べておきましょう。車で行く場合も、意外と駐車場から歩く場合もあります。駐車券付のチケットなら安心ですが、そうでない場合は当日近くの駐車場が満車というケースも。事前に駐車場を予約しておくか、混雑する前に到着するよう早め早めのスケジュールを組むのも手です。
そして、終演後の終電のチェックもしておきましょう。終演後は会場だけでなく最寄駅もかなり混雑します。予め終電の時間は調べておきましょう。切符の場合は帰りの分を先に買っておく、交通系ICの場合も予めチャージしておくことも重要です。
注意するべきこと〜モッシュ・ダイブ
パンクやラウド系のフェスの前方ではモッシュ、ダイブが発生することもあります。サークルに関しては後方の自由エリアでも発生します。初心者の方は特に巻き込まれて怖い思いしたり怪我をしてしまう危険性もあるので、前方エリアに行く場合はあらかじめこういった現象が起きる可能性を理解しておくことが必要です。
もちろん、フェスによってはモッシュ、サークルモッシュ、ダイブが危険行為として禁止事項にされている場合もあるので、禁止事項には必ず目を通しておきましょう。禁止されていないフェスでも基本的には自己責任とされていますので、周りをよく見てくれぐれも怪我のないよう注意してください。
モッシュ
モッシュ(mosh)とは、観客が密集したエリアにおいて無秩序に体をぶつけ合う状態・行為のことを指します。激しいおしくらまんじゅうみたいなものです。モッシュが発生したエリアのことをモッシュピット(mosh pit)と呼びます。
基本的には、ステージ前方の中央エリアが特にモッシュ発生率が高いです。パンク系・ラウド系は特に、それ以外のバンドでも観客のボルテージが上がりやすい曲はモッシュが発生する確率が高いので、巻き込まれたくなければ、前方エリアの柵より後ろで見ましょう。
初心者は特に驚くと思うのですが、前方エリアにおいては、開演前に人と人との空間があっても、開演した直後には後ろからドドドと人が押し寄せ、かなり密集します。スタンディングのライブにおいて、自然な光景です。汗だくで人にぶつかりたくなかったり密集や混雑を避けたい方は、後方エリアもしくは両サイドの比較的空いているエリアから見ることをお勧めします。
サークルモッシュ
モッシュの派生系でサークルモッシュというものがあります。サークルとも呼びます。
モッシュは無秩序にもみくちゃになるのに対し、サークルは、円状の空間の中で行われるモッシュのことで、その空間をサークルピットとも呼びます。その中を左回り(反時計回り)で渦潮を作り出すように観客たちが走り回ることを呼びます。
サークルはどこにできる?という質問は難しいんですが、各ブロック内の中央エリアにいて、サビ前に人が空間を開け出したらサークルができる合図です。空間付近にいるとサークルに巻き込まれる可能性があるので、サビ前までにはサークルピットからできるだけ離れてください。時すでに遅く円の中へ巻き込まれてしまった場合は、立ち止まったり逆走したりせず、端の方から離脱しましょう。
ダイブ
ダイブ(dive)とは、ステージ上、もしくは柵や人の肩の上から観客の頭上に飛び込む行為のことを指します。ダイブをする人をダイバー(diver)と呼び、ダイバーを観客たちが手で持ち上げて運んでいく行為をクラウド・サーフと呼びます。激しいライブの映像とかで、観客の上をステージに向かってゴロゴロ転がっていっていくのを見たことがある人もいるかもしれません。
ダイブは、一歩間違えると大怪我や死亡事故につながる恐れのある危険な行為であることは間違いありません。禁止されている場合や不安がある場合は絶対にやらないこと、禁止されていなくても何があっても自己責任です。
ダイブをしない人でも注意が必要です。前方エリアには後方からダイバーがどんどん押し寄せてきます。ダイバーの体や足がぶつかってくる可能性があるので、顔や頭などの怪我には注意してください。慣れるとうまく捌けるようになりますが、私も昔、頭に強烈な蹴りを喰らって倒れかけたことがあります。禁止事項になっていることの多い大型フェスではまず発生しないと思いますが、中規模、小規模なフェスでは注意してください。
その他の禁止行為〜最低限のマナー
昨今のロックフェスではロックバンド以外にも、メジャーなバンドやアイドルが出演者として名を連ねています。ジャンルの幅も広がっていることで、ロックフェスやライブハウスの暗黙の了解を知らずに違反行為をしてしまいトラブルに発展することも。
禁止事項に書いてない最低限のマナーも守りましょう。
最前キープ(=地蔵)はマナー違反
自分の目当てのアーティストまで、朝イチもしくは数ステージ前から最前列をキープして動かない。今やってるステージを見ず、見ていたとしても全然ノってない。そういう人のことは皮肉を込めて地蔵と呼ばれます。
最前付近や前方ブロックで地蔵になる人はめちゃくちゃ嫌われます。
ライブハウスの壁際や後方エリアで地蔵になるのはそれぞれの楽しみ方なので全然問題ないですよ!ただ、何時間も前から目当ての出演者まで最前キープしている地蔵はマナー違反です。
自分が好きなアーティストの時に、最前列でつまんなそうにしているヤツがいたらムカつくよね〜
自分の目当てのアーティストが来るまで最前待機しておきながら盛り上がりもしないというのは、アーティストに対しても、そのステージを楽しみにしているファンに対しても失礼な行為。
終演後には最前エリアも含め観客が入れ替わりますし、ある程度は前方エリアに行けるはずです。
禁止行為として明記されているわけではありませんが、着ている服やグッズ、態度からどのアーティストが目当てかなんて一目瞭然です。大好きなアーティストの評判も少なからず下げる行為になるのでやめましょう。
撮影・録音は禁止
日本でのフェス、ライブでは基本的にステージの撮影が禁止されています。
海外公演では撮影禁止というルールが形骸化されており、海外アーティストの出演の多いサマソニ、フジロックでは海外ファンが知らずに撮影していることも多いようで、撮影が黙認されているという主張をする人もいますが、注意事項にも明記されていますし、日本の大型フェスでは肖像権・著作権の観点から、基本的に撮影禁止です。場合によっては即刻退場を命じられる場合もあります。
残念に思う人もいるかもしれませんが、その瞬間、目の前のステージを肉眼で楽しみましょう。
当日
当日をよりよく楽しめるようにするために注意しておきたいことがあります。
物販(グッズ販売)
会場ではオフィシャルグッズ、アーティストグッズの販売があります。
人気なバンドやオフィシャルのグッズ列は行列になる場合もあります。長蛇の列になる場合、並んでいる途中でソールドアウト(売切)になることも。並ぶ可能性がある場合は、到着時間も早めにしておくと安心です。
また、オフィシャルグッズは事前注文、現地受取ができる場合があります。オフィシャルグッズを買う予定がある場合は事前販売を利用すると便利です。
アーティスト物販のラインナップは、公式HPや公式アカウントにて前日夜から当日朝ぐらいまでに公開していることが多いです。あらかじめチェックしておくと土壇場で迷わなくて済みます。
待ち合わせ場所を決めておく
恋人や家族、友達など複数人で行く場合、別行動をすることも多いと思います。
観たいステージが違って別行動をしたり、体調管理のために途中離脱したりというケースはもちろんですが、ステージでは人並みに押し流されてはぐれてしまったり、フードエリアでご飯を買いに行ってそのままはぐれたりするイレギュラーなケースも考えられます。
複数人で行く場合は、緊急時の待ち合わせ場所、終演後の待ち合わせ場所は念の為に決めておくのをオススメします。
連絡取れるでしょ!とナメていると、会場の混雑で電波が繋がりにくかったり、スマホ自体を紛失するケースも。これは私の失敗談なのですが、昔、モッシュピットでスマホを落とし紛失してしまったことがあります。手元に戻ってきた際には壊れてしまっており、連絡が取れなくなったことがありました。幸い、フェス終演後に出口付近で発見してもらえてなんとか合流できましたが、それ以降は万が一連絡が取れなくなってしまうことも考えて、集合場所を決めておくようにしています。
痴漢・スリに注意
野外フェスは10万人以上を動員する大規模なイベントのため、中には痴漢、スリなどの悪事を働く不届者も少なくありません。もちろん大多数の人がマナーを守って続いてきたイベントなのですが、混雑するエリアでは痴漢やスリなどの被害が報告されることもあります。もし発見したらすぐに近くのイベントスタッフやセキュリティスタッフに報告しましょう。そしてその被害に自分が遭うことのないように、貴重品の管理など徹底しましょう。
痴漢対策には、モッシュピットに行く予定があるなら水着やミニスカートなどの露出が多い服装は避けるなども有効策です。ですが、きちんと対策をしたとしても痴漢に遭う可能性はゼロではなく、スタンディングライブでの痴漢行為は昔から抱えている大きな問題です。もちろん全ての観客がモッシュピットや前方エリアで楽しむ権利はあるので、悪いのは痴漢行為をする輩です。もし痴漢に遭遇してしまったら、ライブの邪魔になるとは考えず、周囲の観客やスタッフに助けを求めてください。痴漢は退場、警察へ通報の対応になるはずです。
スリ対策には、ズボンの後ろポケットに財布を入れるのはやめた方がいいです。貴重品はボディバッグなどに入れて前掛けをする、カラビナやチェーンなどで服に繋いでおくと盗難だけでなく紛失対策にもなりますので有効です。大金やカードは予め持っていかず、必要最低限にしておくのが良いでしょう。
最後に
誰もが最初は初心者です。
私自身も今まで色んなフェスやライブに参加してきましたが、初心者の頃がもちろんありました。今はむしろ情報が多くて取捨選択する時代かもしれませんが、「こんなことで困った!」や「これ忘れた!」という実体験をもとに、これだけは押さえておいてほしいポイントをまとめてみました!
注意することありすぎて不安になる人もいるかもしれませんが、迷っている人こそ思い切って参加してみてほしいです。生で見るライブは想像を遥かに超えるし、初めてのフェスは人生においてかけがえのない1日になるはず。
その1日をより良い思い出にするために、しっかり準備して全力で楽しみましょう!