
暖かくなってきてそろそろ桜が咲く頃だね。桜並木を散歩しながら春の曲を聴きたい気分だな〜

3月下旬にはソメイヨシノの開花予測もされているし、今年の春の桜も楽しみだね。昔から歌謡曲やJ-POPの春歌には桜がつきものだし、桜が登場する曲は別れや新しい出会いを予感させるものが多くて心が動かされるって感じ!

そういうわけで今回はSAME RECORDS presents「桜が咲いたら聴きたい邦楽アーティスト」20選を紹介していこうと思うよ!美しいけれどどこか切ない。雪解けて心が暖かくなるような桜の曲たち。ぜひあなたのプレイリストに加えてみてね!
日本の音楽には「さくら」と名前のつく曲や、「桜」を題材にした曲は数えきれないほどたくさんあります。
当サイトの趣向として、90年代〜10年代の邦楽ロック中心の選曲にはなりますが、意外と知られていない桜の名曲を中心に解説付きでご紹介。卒業や春のテーマの曲もたくさんありますが、今回は桜が実際に登場する曲や、桜を題材にしている曲のあるアーティスト20選(1組のアーティストに数曲+αで紹介したりもしてます)。
今年の春は、桜の下で聴くあなただけのプレイリストをぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
- フジファブリック「桜並木、二つの傘」「桜の季節」
- NUMBER GIRL「桜のダンス」
- syrup16g「さくら」
- 星野源「桜の森」
- 銀杏BOYZ「青春時代」
- サニーデイ・サービス「桜 super love」
- eastern youth「スローモーション」
- クリープハイプ「栞」
- チャットモンチー「桜前線」
- レミオロメン「春景色」
- バックドロップシンデレラ「桜。轟音にのせ」
- KEYTALK「桜花爛漫」
- 米津玄師「1991」
- ASIAN KUNG-FU GENERATION「海岸通り」
- エレファントカシマシ「桜の花、舞い上がる道を」
- きのこ帝国「桜が咲く前に」
- THE YELLOW MONKEY「花吹雪」
- 神聖かまってちゃん「死にたい季節」
- amazarashi「さくら」
- LUNKHEAD「桜日和」
フジファブリック「桜並木、二つの傘」「桜の季節」
2000年結成。抒情的なメロディと唯一無二の存在で今なお愛され続けるロックバンド“フジファブリック”。
四季折々の情緒あふれる曲が存在するフジファブリックの代表曲の一つでもある「桜の季節」なしに桜楽曲は語れないでしょう。ですが、「桜の季節」に関しては下記の記事「フジファブリックの四季盤を語る」にて熱く語っておりますので今回は割愛。よければご覧いただけると嬉しいです。
今回は、1stシングル『桜の季節』のカップリング曲であり、インディーズ期の1stミニアルバム『アラカルト』(2002年発売)収録の「桜並木、二つの傘」をご紹介。奇天烈かつ疾走感溢れるメロディ。軽快なギターフレーズに乗せて紡がれる歌詞から浮かび上がるのは、別れ際の二人。別れの曲にしては全然しんみりしていなくて、何なら“Do-da-do-da,di-va-da-va-do-da”と小気味よいリズムに乗せてくる桜ダンスナンバー。ありありと浮かんでくる美しい情景と、別れを予感している二人の哀愁漂う歌謡ロック。余談ですが、この曲はぜひアラカルトver.で聞いてみて欲しいです。なぜかというと、次の曲「午前3時」への繋ぎがカッコよくて痺れるからです。
NUMBER GIRL「桜のダンス」
1995年、福岡にて結成。日本のギターロックシーンに多大な影響を与え続ける伝説のオルタナティヴ・ロック・バンド“ NUMBER GIRL ”(ナンバーガール)。2002年11月に解散。2019年にオリジナルメンバーで再結成し、ライブ活動を再開。2022年に念願のRISING SUN ROCK FESTIVALに出演後、再度解散を発表しました。
1999年7月23日発売。メジャー1stアルバム『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』に収録されている一曲が「桜のダンス」。洋楽のオルタナティヴ・ロックやハードコアに影響を受けながらも、ナンバーガールならではの抒情的かつエモーショナルな感性で描かれる音像は唯一無二であり頂点。現在も多くの日本のロックバンドに影響を与え続けています。今作は万人に聴かせる商業的なアルバムという印象は全くなく、ナンバーガールの鋭利で生々しいロックを体現したような録音で、聴けば聴くほど沼に引きずり込まれる名盤です。「桜のダンス」はアヒト・イナザワ(Dr.)の独自のカウントから始まり、耳に残る軽やかなギターフレーズと唸るベースラインが絡み合ったそれぞれの個性がぶつかり合ったサウンドに、向井秀徳による禅問答のような歌唱が乗った他に類を見ない桜ソング。
syrup16g「さくら」
1996年結成、2008年解散。2014年再始動。ダウナーで厭世的な歌詞世界と美しきメロディが絡み合うスリーピースロックバンド、syrup16g(シロップ16グラム)。
現在も精力的に活動しているsyurp16gですが、前述の通り、2008年3月の日本武道館公演を最後に一度解散をしています。解散ライブ直前の2008年1月30日に発売されたアルバムが、セルフタイトルである『syrup16g』。そこに収録されている「さくら」という楽曲があります。必死に聴き込みましたが当時は辛かったですね。ああこれがラストアルバムなんだと実感させられてしまって。ただ、この曲は悲しいだけではなく、思い出への愛おしさを感じさせる歌でとても美しくて好きなんです。別れは後悔や悲しみを生みますが、決してそれだけではない。“ これはこれで青春映画だったよ 俺たちの ”という歌詞から最後にかけてのドラマチックな展開に胸が締め付けられます。散りゆく桜になぞらえて歌うバンドの最後でありながら、普遍的な別れの曲として高い共感性があるのです。
星野源「桜の森」
2015年解散となったインストバンド・SAKE ROCK(サケロック)のギタリスト&マリンバ奏者であり、現在は俳優やコラムニストとしても幅広く活動を続けるソロアーティスト“ 星野 源 ”(ほしの げん)。
今回紹介するのは2014年6月11日発売、7作目となる両A面シングル「Crazy Crazy / 桜の森」から「桜の森」という楽曲。「SUN」や「地獄でなぜ悪い」といった人気曲が多数収録されており、業界評価を押し上げた4thアルバム『YELLOW DANCER』(2015年12月2日発売)にも収録されています。
星野源といえば日本語の美しさを感じさせられる文学的な歌詞が魅力のひとつですが、「桜の森」でも桜の風景を歌っているだけではなく、生命や肉体、そして死をも感じさせる物語がそこにあります。我々が桜に対して命の儚さや仄暗さを感じているという認識が、聴き手に更なる考察の余地を与えているのかもしれません。
Crazy Crazyもそうですが、どちらもイントロがかなり印象的の曲。「桜の森」の期待感を煽るキャッチーなイントロと軽快なメロディが、歌詞の世界観の深さと相まって何度聞いても味がする名曲に仕上がっています。
銀杏BOYZ「青春時代」
2003年結成。いつの時代の若者たちにも熱狂的に支持されるパンクロックバンド“ 銀杏BOYZ ”(ぎんなんボーイズ)。前身バンドであるGOING STEADYが解散した後、ボーカル・峯田和伸のソロ名義でスタートするも、GOING STEADYの安孫子真哉(Ba.)と村井守(Dr.)に新しくチン中村(Gt.)が加わり2003年5月より本格始動しました。2013年にメンバー3人が脱退し、現在は峯田和伸のソロバンドとなっています。
2005年1月15日発売。『DOOR』と共に2作同時発売となったアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』に収録されている楽曲の「青春時代」。この曲は実はGOING STEADY時代の曲で、解散発表後の最後の音源。今作に再録されるにあたって歌詞やアレンジが変わっており、ゴイステの「青春時代」が衝動であり青春時代そのものであれば、銀杏の「青春時代」は過ぎ去った時代を思い返して歌っている感が強まっているように感じてなりません。“桜咲く放課後に初恋の風がスカートを揺らす”というフォークソングさながらの歌い出しから、生々しく綴られる青春時代のひとときの数々。春の曲としての聴き心地という意味で銀杏BOYZの方を選曲していますが、個人的には両方とも選び難いほど好きで、どちらにも違った良さがあると思っています。人生においても大事な一曲。
Going Steady「佳代」
1996年結成。鮮烈な存在感でシーンに名を残した青春パンクバンド“ GOING STEADY ”(ゴーイングステディ)。ゴイステの愛称で親しまれるも、2003年1月解散。前述の通り、銀杏BOYZの前身バンドです。
桜の曲でもう一つ紹介したいのが、2001年7月6日発売の2ndアルバム『さくらの唄』に収録されている「佳代」という楽曲。元カノのことを歌っているということでファンの間では有名な曲です。ノスタルジー溢れるメロディと湿度の高い歌詞が中毒性の高い名曲。“桜木の下 白ブラウスに光溶けて滲むのでした”と、今はもう自分のもとを離れた彼女の姿を思い出の中に追いかけている歌詞が儚くも美しい。真夜中の純情商店街といったら二人乗りをするというシチュエーションがこの歌のおかげで浮かんできます。
サニーデイ・サービス「桜 super love」
1992年結成。90年代邦楽史を語る上で欠かせない日本のロックバンド“ サニーデイ・サービス ”。
曽我部恵一を中心として結成され、フォークやネオアコ、後にヒップホップやダンスミュージックなど多彩なジャンルを取り入れ、サニーデイならではの音楽を今も追求しています。2000年に一度解散。2008年に再結成。ソロ活動、自主レーベル設立、ドラム・丸山晴茂との死別を経て現在に至ります。
2016年8月3日発売のスタジオ・アルバム『DANCE TO YOU』に収録されており、2017年3月15日にはスペシャルEPとしてシングルカットされた大名曲「桜 super love」。“きみがいないことは きみがいることだなぁ”というサニーデイらしいキラーフレーズから始まり、柔らかな春の日差しの中にあるような穏やかで美しいメロディ。収録当時はオリジナルメンバーであるドラムの丸山氏が体調不良で離脱した後だという背景もあり、その歌詞には喪失感や恋しさが感じられます。伝統的に舞踊で感情を表現してきた歴史のある日本人にとってのダンスミュージックは必ずしも非日常である必要はなく、切なさや悲しみが胸の内にありながらも日常のすぐそばにあっていいのではないでしょうか。そんな心に寄り添う、温かなダンスミュージック。美しい桜の風景の中で舞い踊っています。
eastern youth「スローモーション」
1988年結成。北海道札幌発。叙情的な日本古来の感性と内から湧き起こる激情を体現したサウンドで、日本のエモーショナル・ハードコアの草分け的存在であり、今なお現役のスリーピース・ロックバンド“eastern youth”(イースタンユース)。
魂が叫んでいるようなシャウトと、目の前に情景が広がってくるような哀愁たっぷりの表現。圧倒的な熱量を目の前にすると、ここに立って生きている実感が湧いてくるのです。
2001年8月8日に発売されたアルバム『感受性応答セヨ』に収録されている「スローモーション」という楽曲をご紹介します。イースタンユースの「桜」はやはり一味違う。“春は死んでいる” “桜の花が狂っている”という情景の中で、“破顔一笑”泣きたくても泣けずに笑ってしまうことしかできない男がただ生きている。どのようにも解釈できる表現ですが、春や桜に対して感じる狂気や焦燥、やり切れなさをエモーショナルに表現した名曲。
クリープハイプ「栞」
2001年結成。生々しい日常とありのままの愛を歌うロックバンド“ クリープハイプ ”。
インディーズ時代のメンバーの脱退やボーカル・ギターである尾崎世界観ソロユニット時代を経て、現在の四人体制になったのが2009年。性的であけすけな表現のイメージが強いクリープですが、それゆえに綺麗事だけではないリアルな感情が表現されており、日常の中で孤独を感じている人々にとって替えの効かないバンドなのです。
この「栞」という楽曲は、元々はFM802 × TSUTAYA ACCESS!キャンペーンソングとして尾崎世界観が作詞・作曲し、あいみょん、片岡健太(sumika)、GEN(04 Limited Sazabys)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)、スガシカオといった豪華なアーティストが参加している楽曲。クリープハイプver.として2018年9月26日の5thアルバム『泣きたくなるほど嬉しい日々に』に収録されています。
情景が浮かぶ切ない別れの曲に定評のあるクリープハイプですが、こちらもまさに別れの曲。舞い散る桜と本の栞、二人の関係を重ね合わせて描かれる物語はありふれているのに、クリープハイプならではの言葉で綴られるからこそ美しい。恋愛はもちろん人生の中ですれ違う人すべてに当てはまるだろう歌詞と、アップテンポなのにどこか切ないメロディが胸を締め付けます。
チャットモンチー「桜前線」
2000年結成。徳島発、邦楽ロックシーンに多大な影響を与えた唯一無二のガールズバンド“ チャットモンチー ”。
2004年から2011年までスリーピース体制だったが、高橋久美子(Dr.)が脱退。その後正式メンバーとしては、橋本絵莉子(Vo.&Gt.)、福岡晃子(Ba.)のツーピース体制で活動をしていたが、2018年7月に活動完結しました。
2011年4月6日発売、4thフルアルバム『YOU MORE』に収録されている楽曲「桜前線」。ちなみに、スリーピース体制ではラストとなったアルバム作品です。
チャットモンチーのシンプルながらそれぞれのセンスが際立つバンドサウンド、少し毒があるのが癖になる歌詞、胸のど真ん中を貫くキャッチーなメロディ。チャットモンチーは作曲は基本的にボーカルの橋本絵梨子が手がけることが多いのですが、作詞は3人それぞれ担当しているのも魅力の一つ。「桜前線」は現在作家としても活動している高橋久美子作詞なのですが、着眼点が面白い歌詞が多くて好きです。桜の歌で“お花見の風景”を描いている歌って個人的には新しいと感じますし、“この世界はお花見のゴミ箱と同じ”など独特のワードセンスが全編を通して光っています。メロディの明るさも相まって、痛快で爽やかな桜の曲です。
レミオロメン「春景色」
2000年結成。山梨県発、四季折々の叙情的なロックで親しまれるスリーピースロックバンド“ レミオロメン ”。
2012年に活動休止。休止中はソロ活動やオリーブ農家、サポートドラマーとしてそれぞれの道を歩んでいたレミオロメンですが、2025年12月に活動再開を発表。2026年はファン待望の全国ツアーを開催中です。
今回の記事では、桜について歌っている「春景色」「sakura」「3月9日」の3曲をピックアップ。
2005年1月12日発売のメジャー4thシングル『モラトリアム』のカップリング曲であり、2005年3月9日発売2ndアルバム『ether』に収録されている楽曲「春景色」。
春の訪れを待ち侘びて前のめりに駆け出していくような、疾走感のあふれるロックナンバー。アップテンポで高揚感のあるメロディに対して、歌詞は迷ってもがいている様を描いています。がむしゃらに掻き鳴らされるバンドサウンドが音源から既にライブ感満載で、自然と体が動き出してしまうこと間違いなし。
「sakura」
2009年3月9日発売。初のベストアルバム『レミオベスト』の1曲目であり、初の配信限定シングルとして先行リリースされた楽曲である「sakura」。
一度聴いただけでも口ずさみたくなるほどキャッチーで、日本人の心へスッと入り込んでくるメロディ。高らかに歌い上げる優しくも力強い歌声で、多くの心に響くストレートな愛を表現しています。世界が広がっていくような眩しさと、レミオロメンならではのどことなく切なさを感じさせる表現が散りばめられている桜ソング。
「3月9日」
2004年3月9日発売。メジャー2ndシングルの表題曲「3月9日」。春景色と同じく2005年3月9日発売2ndアルバム『ether』にも収録されている楽曲です。
結婚式を挙げた友人に宛てて書かれたという話が有名な「3月9日」ですが、3月のうららかな風景とありふれた日常の幸せを描いた美しい歌詞が、新たな門出を祝うシチュエーションに重なり、今日に至るまで卒業シーズンの定番曲となっています。藤巻亮太の作る曲は歌詞も美しければメロディも美しい。世代を超えて、音楽を日常的に聴かない人の耳にまで届くほどの大名曲。春になれば思い出され、そして未来永劫、愛され続けるのでしょう。
バックドロップシンデレラ「桜。轟音にのせ」
2006年結成。池袋発。四人組パンクロックバンド“ バックドロップシンデレラ ”。
アイリッシュ・パンクや中南米などの民族音楽をルーツにした彼ら独自の踊れる音楽を“ウンザウンザ”と名づけ、全国各地のフェスやライブハウスを日々踊らせています。コミックバンドのようでもありながら彼らの本質はやはりパンクであると私個人は思っています。
2024年4月12日リリースとなった配信シングル「桜。轟音にのせ」。2025年4月9日発売の8thフルアルバム『バックドロップシンデレラ』にも収録されています。
本能を揺るがす激情的な楽曲が魅力のバクシンですが、時々こういうエモーショナルで心に沁みるような楽曲をリリースするからグッときます。故郷と桜の思い出、歳をとって感じる自身の親に対する想い。しんみりとした想いながらサビに向かうにつれて“デカい音”で想いを届けるように歌うから、余計に泣けてしまいます。
KEYTALK「桜花爛漫」
2009年結成。下北沢発。ツインボーカルの四人組ロックバンド“ KEYTALK ”(キートーク)。
2010年代のロックフェスでは各地を踊らせフロアを熱狂させるダンスロックの楽曲から、キャッチーでありながらも胸を打つ抒情的なギターロックの楽曲も魅力的。2024年8月より活動休止中ですが、今なお愛され続けている強烈な個性を持つバンドです。
2015年4月29日発売。5thシングル「桜花爛漫」。同年5月20日発売、3rdアルバム(メジャーでは2作目)『HOT!』にも収録されています。この楽曲は原作・高橋留美子のアニメ『境界のRINNE』の主題歌でもあります。
アニメの世界観を軸に輪廻や境界線といったワードが散りばめられており、ポップなアニソンかと思いきやKEYTALKらしさを全面に押し出したキャッチーかつ骨太なギターロックが楽しめる一曲です。KEYTALKの魅力である展開の多さと耳に残るフレーズ力が炸裂しており、Cメロの“爛漫 色づく恋模様 飛び出して叫ぶよ”の部分のコール&レスポンスはライブでも盛り上がるポイント。踊れるアップテンポチューンなのに漂う切なさが最高な楽曲です。
「桜の風吹く街で」
もう一曲紹介したいのが、桜が咲く時期になると毎年聴きたくなり、何なら咲いてなくても聴いてるほどに大好きな曲。2013年発売、インディーズ時代の配信シングル「桜の風吹く街で」。当時のライブ会場限定で4曲まとめた『KTEP FREE』に収録されていたほか、インディーズ時代のため廃盤になっていたKTEPシリーズをまとめた編集盤である『KTEP COMPLETE』に収録されています。
疾走感のある泣きメロがとにかく好きです。シンプルかつストレートなバンドサウンド。イントロを聴いただけで引き込まれる叙情的なギターがたまりません。どことなく懐かしくて、思い出に触れるように何度も何度も聴いてしまう切なさがここにあります。
米津玄師「1991」
2009年より“ハチ”名義でニコニコ動画でVOCALOIDオリジナル楽曲を投稿し始め、ボカロシーンでもヒット曲を多数制作。2012年には本名でデビューした唯一無二のシンガーソングライター“ 米津玄師 ”(よねづけんし)。
2025年10月13日リリース、配信限定シングル「1991」。
アニメ映画が原作で、2025年10月10日公開となった実写映画『秒速5センチメートル』の主題歌として書き下ろしされた楽曲。桜の花びらが舞い落ちる速度が秒速5センチメートル、と作中で語られていることが原作のタイトルになっています。米津玄師の書き下ろし曲は作品の理解力が深いだけではなく、高い期待値を遥かに超えた名曲が毎度生み出されているのが凄いところ。実写版映画で設定された主人公たちが出会う1991年、春という時間軸。米津玄師の生まれ年でもある1991年に重ね合わせて作られたこの楽曲は、美しいだけではなく聴けば聴くほど味わいが増す大名曲です。
ASIAN KUNG-FU GENERATION「海岸通り」
1996年結成。アジカンの愛称で世代を超えて愛され続ける、日本を代表するロックバンド“ASIAN KUNG-FU GENERATION”(アジアンカンフージェネレーション)。
2004年10月20日発売。2ndフルアルバム『ソルファ』収録の「海岸通り」。
言わずと知れたアジカンの初期の名盤の収録曲のひとつである「海岸通り」は、切ないメロディと、目の前に情景が広がっていくような文学的な歌詞が美しいミディアムロックナンバー。“海岸通りに春が舞う”というフレーズを聴くなり、湿度の高い春の風に桜の花びらが舞い上がる光景が目の前に広がっていく感覚を味わえます。誰かの記憶なのか、それとも自分が本当に経験した記憶なのか。それほどリアルに美しい景色を想像できる春の名曲です。
エレファントカシマシ「桜の花、舞い上がる道を」
1981年結成。骨太なロックサウンドと叙情的な歌謡曲の要素を併せ持ち、今なお精力的に活動を続ける日本を代表するロックバンド“ エレファントカシマシ ”。ボーカル・宮本浩次の唯一無二である歌声と魂を震わせる熱いパフォーマンスは、生で見ると本当に圧倒されます。
2008年3月5日発売、36thシングル「桜の花、舞い上がる道を」。2009年4月29日発売の19thアルバム『昇れる太陽』にも収録されています。
日本の音楽シーンにおいてある意味定番ともいえる桜というテーマにエレカシが真っ向から取り組むと、こんなにも力強く、人生観を感じさせる楽曲に仕上がるのだと感動しました。一般的に桜の花って舞い落ちるものというイメージがありますが、そこをあえて“舞い上がる”と表現していることも力強さを感じます。思い通りにいかない人生ですが、“桜の花、舞い上がる道をおまえと歩いていく”と高らかに歌い上げる姿が真っ直ぐに我々の心を打ち、美しい風景と共に生きていく道標となってくれるような桜の歌です。
きのこ帝国「桜が咲く前に」
2007年結成。美しい情景が浮かぶ歌詞世界と浮遊感のあるサウンドが癖になる、オルタナティブ・ロック/ドリーム・ポップバンド“ きのこ帝国 ”。2019年、ベースの谷口滋昭が家業を継ぐために脱退。それに伴いバンドは活動休止となりました。
2015年4月29日発売、メジャー1stシングルの表題曲である「桜が咲く前に」。こちらは同年11月11日発売のメジャー1stアルバム『猫とアレルギー』にも収録されています。この楽曲は冬から春へと移り変わる季節、まだ粉雪が降っている中、桜が咲く前にここを去ると決意する別れの曲。夢を叶えるため上京する前の心情が美しい風景と共に綴られています。10代の頃に誰もが抱く、哀愁と希望が入り混じったような複雑で繊細な気持ちが見事に表現されており、聴くたびに切なくなるような曲です。
THE YELLOW MONKEY「花吹雪」
1989年12月より現メンバーにて活動開始。グラムロック1をルーツに、洋楽ロックの骨太なサウンドと日本の歌謡曲の美しいメロディが調和した独自のスタイルが魅力のロックバンド“ THE YELLOW MONKEY ”(ザ・イエローモンキー)。2001年に活動休止するも、2004年に解散。2016年にファン待望の再集結を発表し、現在に至ります。
オリジナル盤が1997年1月22日発売となる6thアルバム『SICKS』に収録されている楽曲が「花吹雪」。
哀愁の漂う叙情的なメロディと、吉井和哉の気怠く妖艶な歌声が独特の雰囲気を醸し出している歌謡ロックナンバー。激しい感情を内に秘めて険しい春の嵐の中を進んでいくようなイメージが浮かびます。美しい中に呪いのような禍々しさがあって、危うい色気の漂う一味違った桜楽曲。サウンド面でもイエモンの魅力が炸裂していて、とにかくかっこいい桜の曲です。
神聖かまってちゃん「死にたい季節」
2008年結成。平成のインターネットから世に出たロックバンド“ 神聖かまってちゃん ”。
社会との隔たりを感じている孤独な若者にとって、生き辛い世の中を悲観し苦しみのたうち回る姿を見せてくれる神聖かまってちゃんの姿は、自分を肯定してくれる存在であり、生きていくために必要なバンドでした。もちろん今も。
2010年3月10日発売、デビューミニアルバム『友だちを殺してまで。』に収録されている「死にたい季節」という曲があります。“桜が咲いて春の風が吹いた”という美しい歌い出しながら、最終的には“そんな死にたい季節”だと締めくくる。今日も学校に行けなかったという経験がない人には響かないかもしれません。ただそういった経験のある人には、痛みとともに優しく響きます。3月は統計的にも自殺者の多い季節ですから、春に訪れるのは希望だけとは限りません。サウンドとしてはノイジーで不安定ながら、絶妙なバランス感覚でキャッチーなメロディになっているのが類を見ない才能。神聖かまってちゃんでしか聴くことのできないロックな桜楽曲です。
amazarashi「さくら」
青森県在住、秋田ひろむ率いるロックバンド“ amazarashi ”(あまざらし)。
顔出しはせず、半透明のスクリーンに映し出される映像と共に展開される独自のライブは圧巻。絶望の中から希望を見出す「アンチニヒリズム」のコンセプトを掲げた唯一無二の詩世界と、時に紡がれるポエトリーリーディング2曲も聴き手に強烈な印象を与えています。
2011年3月16日発売、メジャー3rdミニアルバム『アノミー』に収録されている「さくら」という楽曲。
amazarashiの楽曲を一言で表すなら、内面的な深い感情に潜り込んで綴られる叙情詩。かなり個人的な経験やその時に感じたことが歌われているからこそ、生々しくリアルに響きます。「さくら」もそうで、単語のひとつひとつが意味を持って生きている。至るまでのストーリーと直前の形容詞、装飾する単語が、サビの抑揚ある“さくら”に集約されていく楽曲の構成がとても美しいです。
LUNKHEAD「桜日和」
1999年結成。どこまでも青く内なる情熱を燃やすロックバンド、“ LUNKHEAD ”(ランクヘッド)。
不器用で等身大。いつまでも孤独のそばにいて、救ってくれるロックバンド。それがLUNKHEADです。
2007年1月24日発売、9thシングル「桜日和」。そして同年6月27日発売の4thアルバム『FORCE』に収録されています。インディーズ時代は鋭いギターロックが魅力でしたが、6thシングル「カナリアボックス」で注目度が高まると、それと同時に持ち合わせていた叙情的な部分を武器に、ポップネスを追求し始めた印象があります。その中でリリースされた「桜日和」という楽曲は旅立ちをテーマにしており、叙情的で温かみのある春の歌です。人生の岐路に立っている人の背中をそっと押すような、優しさに溢れた良い曲なんですよね。何年経っても色褪せないでいます。
▼脚注 ※末尾の矢印(←)クリックで本文の該当箇所まで戻れます
- 【ジャンル解説】グラムロック(Glam Rock)…グラムの語源は英語で魅惑的・魅力的という意味を持つ「glamorous(グラマラス)」から来ており、派手なメイクやステージ衣装、パフォーマンスなどの表現方法において分類される音楽ジャンルである。代表的なアーティストにはデヴィット・ボウイ(David Bowie)などが挙げられる。 ↩︎
- 【用語解説】ポエトリーリーディング(poetry reading)…ポエトリーリーディングは主に、詩人が自作の詩を読み上げることを指します。近年ではヒップホップ、特にラッパーやロックアーティストが音の上で詩を朗読するように歌いあげるライブパフォーマンスや楽曲のことの意味で使われることも増えている。 ↩︎


